弟を心臓病で亡くしています。中学生のときに弟が入院する病院の廊下で泣いていた幼いきょうだいたちの姿が忘れられず、きょうだいを応援するNPO法人を立ち上げました。(日本の小児病棟は、感染予防のために、きょうだいは家族であっても病棟の扉より先に入ることはできません。親御さんが入院している子どもの面会に行く間、きょうだいは何時間も薄暗い廊下でぽつんと待っています。夜遅くなることも、1か月以上続くこともあります。)退院しても元通りの生活に戻るわけではなく、寂しさや不安に蓋をして頑張っていたり、周囲の人の言葉に傷ついたり…きょうだいとしてのさまざまな悩みが大人になっても続くこともあります。きょうだいたちが、子ども時代を「子ども」としてすごせるように、安心を増やしたいです。
2003年に重い病気のある子どものきょうだいのための団体を立ち上げ、2016年にNPO法人化しました。病院できょうだいと過ごすボランティア活動や、地域できょうだいが仲間と過ごせるイベントの開催、小冊子の配布、支援者向けの研修、4月10日の「きょうだいの日」にあわせた啓発などを通して、きょうだいを応援しています。きょうだいの日は、血縁のあるきょうだいに限らず、きょうだいのように思っている同僚や先輩後輩、きょうだいみたいに一緒に暮らしてきた犬や猫、きょうだいみたいに大事にしていたぬいぐるみなどもふくめ、いろんなきょうだいのかたちを大切に思う日、そして病気や障がいのあるきょうだいがいる子どもたちに優しい応援が届く日になればと制定しました。ご一緒に盛り上げてくださる方が増えるとうれしいです。