ドリームリリース 4月1日はApril Dream

漫画家デビューし、「キャリア」を愉しむコンテンツにする

しそまる

埼玉県

子どもの頃の夢と、大人になってから感じた課題が、一つになったからです。会社員時代、日系の大手企業で、新卒採用の業務にあたっていました。その中で、1000人を超える学生さんと話した結果、「キャリアを考える」ことを、もっと当たり前にしていきたいと強く思いました。面接官や採用担当として学生さんと話す時、基本的には「これまでやってきたこと」と「これからやりたいこと」の二つについて話します。前者について話す時、多くの学生さんは僕たちを驚かせるような取り組みを話してくれます。それこそ、自分の学生時代が恥ずかしくなるほど、今の学生さんたちは、具体的に目標や課題を持って活動をしています。それに比べ、後者の「これからやりたいこと」については、多くの学生さんが苦労していました。「社会に何か貢献したい」で止まってしまったり、就活情報サイトのコピーのような話だったり、と。非常に高い能力を持っているのに、それをどこに向けていいのかわからない、そういう新卒学生の状況を目にした時のやりきれない気持ちが、私の今の活動の原点になっています。そんな状況を見て私が持った想いは、「キャリアを考える」人が「意識高い系」という考えをなくしたい、というものでした。みなさんが会社で「俺、こんなキャリア歩みたいんだよね」と話しだすと、どんな目で見られるでしょうか?「え?いきなりどしたん?意識高、、」ってなるのではないでしょうか?実際がどうであれ、この状況が「普通にありそう」と思えてしまうことが、キャリア教育の一番の課題だと私は考えています。キャリア教育という言葉の露出が増えてきたとはいえ、いまだに「キャリアを考えること」は「意識が高い人がやること」のままだと私は感じています。ではどうすればその「意識が高い人がやること」を「みんながフツーにやること」に変えられるのか。その一つの方法が、「とっつきやすいコンテンツ」にすることだと考えています。そもそも、抽象的な概念を教える時、それを愉しめるコンテンツにする、ということははるか昔から行われています。今に残る童話や神話などのコンテンツは、人間道徳や宗教の教えなどといった抽象的な概念を、子どもや識字階級にいない人たちに伝えるために作られたものです。いくら正しくて崇高な考えでも、それを正しく崇高なまま伝えたところで、一般の人たちには伝わらない、というのが私の考えです。このような考えを持ったとき、私の子どもの頃の夢と目の前の課題が一致しました。「キャリアを考えること」をテーマにした漫画を作って、「キャリアプランニング」と「かめはめ波」が同じカテゴリに並べられるような世界線を作れないか、と。私の学生時代を思い出しても、「テニスの王子様」が流行れば学校のテニス部員が大量に増え、「アイシールド21」を読んだ友人たちは高校でヘルメットを抱え出し、大学で「スラムダンク」を再読した先輩たちはサッカーボールでバスケをしていました。「ちはやふる」は「競技かるた」を、「キングダム」は「戦国春秋時代」を「ブルーピリオド」は「藝大受験の世界」を、どんな教科書より多くの人に広めています。私はこれを「キャリア」でやりたいのです。その上で、私がこだわりたいのは、あくまで「商業誌」でやるということ。なぜかというと、教育業界や官公庁でそれをやると、先に「正しさ」「正確さ」がきてしまうからです。先に挙げたようなコンテンツが、なぜ多くの人の行動を変えたか、それは、まず一番に「面白い」からです。もちろんどんな作品も、テーマについて膨大な下調べをし、リアルな情報や描写がなされるような構成がされています。しかし、キングダムは確かに戦国春秋時代をテーマにしていますが、尾平や田有、バジオウやオギコといった脇役までが、史実としていたかどうかと言われれば「教科書的には正確ではない」ことを書いています。テニスの王子様だって、最後はプレーヤーが観客席まで吹っ飛んだりしていますが、現実ではそんなことあり得ません。でもそのコンテンツが、多くの中学生をテニス部へと誘った、行動レベルで変容を起こしたのです。では、その後彼らは、相手を観客席に吹っ飛ばすことを目標としたでしょうか?「手◯ゾーン」使えねーじゃん!人生狂わされたわ!」って怒ったでしょうか?多くの部員が、テニスというスポーツの技能の向上に励み、正しいルールと体の動かし方を覚え、その競技を愉しみ、自身の成長とテニスの発展に寄与したはずです。確かに「正しさ」や「正確さ」を伝える場所は絶対に必要です。そういう場所があるからこそ、漫画やアニメは「嘘」がつけるんです。しかし、その世界に誘うものは、大前提として「面白く」ないといけない。そういう考えから、「面白さ」が至上命題の世界で、私はコンテンツを作りたいのです。「楽しめる教科書」ではなく「学べる漫画」、「面白さ」を一番にするために、この世界を選んでいます。また、ここにはもう一つの想いがあります。それは、私自身がまず、「夢を叶えた大人」になるということ。キャリアコンサルタントの資格勉強やロープレのトレーニングをしながら想ったことですが、例えば相手が野球少年なら、私がありったけのキャリアの知識、カウンセリングの技術を振るうよりも、長嶋監督に「お前、根性あるなぁ」って言われた方が、その彼の心は動くと思うのです。ぶっちゃけた話、「夢を叶えた大人」がその辺を歩いてるような状態になれば、子どもたちもそんなもんだと想ってフツーに夢を追い始めると思っています。そういった意味で、商業誌で漫画家デビュー、という子どもみたいな夢を、本氣で叶えるという事そのものが、僕にとっても、これから私と出会う人たちにとっても、大きな意味があると考えています。長くなってしまいましたが、・愉しめるコンテンツにしないと「キャリア教育」は広がらない・漫画になったものは行動レベルで人を変える・自分が「夢を叶えた大人」になることで、それが当たり前になる社会に貢献したいこの辺りが、私が今の活動をしている理由です。長文へのお付き合いありがとうございました。

・前提としての正確な知識をつけるためのキャリアコンサルタント資格の取得→2022年に取得済、キャリア教育関連の現状を知り、その活動に関与するため、「Eキャリ部」の広報委員会に所属し、月2回のミーティングと制作活動を行なっている・漫画家デビューに向けた読切作品の制作と出版社への持ち込み→2022夏に読切作品が受賞、2023年1月にも2回目の受賞、現在スクウェア・エニックスの編集さんとやりとりをしながら次回作を制作中▼第22回YGマンガ大賞(佳作・審査員特別賞)▼https://magazine.jp.square-enix.com/yg/wanted/list/index22.html#awardIntro▼第41回スクウェア・エニックスマンガ大賞(佳作・審査員特別賞)▼https://magazine.jp.square-enix.com/sep/archive/index.html・漫画技術向上のため、連載作家さんの元でアシスタントとして修行中・キャリアをテーマにした漫画でのネタの模索と、漫画技術の向上に向けた、週1回のショートショートのTwitter漫画投稿→新卒採用の面接を舞台にした「心が読める面接官」シリーズhttps://twitter.com/oobanoillust・毎週火曜日、フリーランスの仲間3人と、「緊急ではないがやりたい取り組み」に時間を使う「もくもく会」を開催→こちらでも別のキャリア漫画を考案中・採用実務の現場感覚の維持、夢を追う時間の延伸のため、友人が所属するベンチャー企業にて中途採用業務補助の業務委託に従事

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