私は神奈川県小田原市でアンジュバレエというバレエスタジオを主宰して20年目になります。3歳から大人まで、83名の生徒がいます。 講師は、国内外で活躍されてきたフリーランスの現役バレエダンサー達です。 彼女たちには確かな能力とバレエに対しての熱い想いがあり、〝わたし〟流の踊りのセンスや哲学をもって、凛として生きています。しかし、実状、みな職業的な不安定さを抱え、チケットノルマを抱え、生計を立てるためにバレエの指導や他のアルバイトを掛け持ちせざるを得ない状況にあります。 そして、少なからずそうしたバレエダンサーの現状を知った子ども達は、バレリーナの夢を諦め、普通に進学して普通に就職して。。。と「普通」な道を選択するようになって、元々自由に思い描いていた夢にどんどん制限をかけていってしまいがちです。 しかし、バレエダンサーには「舞台で踊る」ということに加えて、もっとその多彩な能力を表現できる方法があります!その鍛え抜かれた美しい身体、手先から足先までを知り尽くしコントロールする力、様々な感情を表現し引き出す力、一体感を引き起こすコミュニケーション力。。。 こうした多彩な能力は、「舞台」や「バレエスタジオ」という枠を超えて、より広く、地域の施設や、教育機関、企業に貢献する活動に発展できるのではと考えています。 「舞台で踊る」ということについては、バレエの芸術性を保ちつつ、人々にバレエをより身近に感じていただけるような取組み、例えば「バレエと行政」「バレエと企業」というように意外性のあるコラボレーションによって連携して公演を企画していくことで、芸術に触れることのできる機会をより多くの人々に提供することができ、その結果、ダンサーが必要な収益を得ることが可能となります。 また、例えば私は、バレエスタジオ経営の他に、大学で「子どもの身体表現」の講義をしたり、地域の子育て支援センターで親子向けのからだ遊びを指導したり、企業への姿勢改善レッスンを行っていますが、このようにバレエダンサーがその能力を活かし活躍できる場を新たに創出することで、バレエダンサーを夢見る次世代の子ども達が、自分の未来をその子なりに自由に思い描き、その夢に向かって楽しみながらまっしぐらに歩める世界を創りたいです。
ダンサーがダンサーとして活躍しながらその魅力・能力を活かして収入を得るための事業モデル構築のために、la jenneというバレエ事業団体を昨年立ち上げ、バレエ事業クリエイターとして活動しています。「バレエ∞」という意外性のある独自の取り組みの一つが、「バレエ地方創生」です。今年の12月23日(土)、「くるみ割り人形~お菓子の夢の国」をテーマにバレエ公演を開催します。オーディションにより選び抜かれた未来ある新進気鋭のダンサーによる舞台、プロジェクションマッピングによるファンタジーな演出、そして、ホワイエでは子ども達の未来を応援する小田原市内の企業様によるブース出店を企画しています。 またこの他、「バレエ教育」をテーマに、バレエという芸術をより身近に楽しく体験していただくために、幼稚園での課外活動や、小中学校での部活動への講師派遣の他、ダンサーのキャリア支援としてダンス以外のスキルを活かしたイベント企画に取り組んでいます。
