出生率が著しく下がり少子化に拍車がかかる中、日本の7人に1人が相対的貧困状態にあると言われ、児童虐待の通報件数も年々増えています。厳しい家庭環境下で育った子どもたちの中には、自分自身を否定的にとらえ、未来への希望も持てない子も多くいます。
私は、児童養護施設出身の若者たちと知り合う中で、彼らの持つ自己否定感や自信のなさ、将来への不安や孤独感などの課題の大きさを実感するようになりました。一人ひとりはとても素敵な子たちで、高い能力も持っているのに、自分のためにがんばれなかったり、孤独感を感じてだれにも頼れなかったり、そんな苦しみを抱えていることが多くありました。
これは彼らの問題ではなくて、彼らを支えきれない社会の問題です。児童養護施設出身者だけではなく、社会全体でみるとこのような苦しい思いを抱えている子ども・若者はもっともっとたくさんいるのだと思います。「自己責任論」ではなくて、「思いやり・つながり」で彼らを支えることができる、そんなやさしい日本社会であってほしい。私自身はそんなことを願っています。
NPO法人HUG for ALLを立ち上げ、まずは児童養護施設の子どもたちを在所中~退所後まで支え続けるプログラムと、子どもに寄り添い続ける大人たちのコミュニティづくりに挑戦しています。正社員で働いていた仕事も、この活動を広げ、続けていくために週3勤務に変えました。
これまで、団体としての活動は、子どもの成長に合わせて、一歩一歩前に進んできました。いまは幼児~高3生の支援を行っており、来年度からはいよいよ施設退所者の支援も始まります。
まずは多くの大人の方々に、子どもたちのことを気にかけてもらうことから、私の夢は広がっていくのだと思います。関心を持ってくださったかたがいたら、まずは私たちの団体のことを知っていただけると嬉しいです。
