ナラティブとは、「物語」という意味です。
その人が語る物語を聞き、その人らしい解決方法を一緒に見つける心理的支援を「ナラティブ・アプローチ」といいます。
ナラティブ絵本は、「ナラティブ・アプローチ」と「絵本づくり」を組み合わせた新しいケア・サービスです。「自分の物語を考える」プロセスが「自分の人生を肯定し、前向きに生きる力」につながり、「絵本づくり」という創作活動は、表現する喜びや生きがいに。完成した絵本を見るたびに「前向きな感情」を思い出せます。
想いのおすそ分け
ナラティブ絵本の活動を通じて、人は苦労して乗り越えてきた経験から「気づいたこと」を同じ悩みを持つ人に「伝えたい」、自分の経験を「役立ててほしい」という「想い」があることを知りました。
そんな温かい「想いのおすそ分け」を「ナラティブ絵本」でできたらと思っています。
絵本にすれば、時間や場所を越えて伝えることができます。
書店に並ぶ絵本との違い
「ナラティブ絵本」は、書店に並ぶような、たくさんの人を対象に制作する絵本ではありません。
販売するためは、多くの方々に届く内容にする必要があります。
「ナラティブ絵本」は、個人が作る個人的な内容の絵本です。
伝えたいメッセージも限られた人だけに届く内容だと思います。
その人が「その人らしく生きていること」をそのまま描いています。
その人が使う言葉やこだわりもそのまま表現しています。
そのため、少しわかりにくい箇所があるかもしれません。
しかし、個人が作るからこその独特の味わいがあります。
「小さな声」を「喜び」や「勇気」に変える
うまく伝えられないと思うことは、小さな声になってしまうかもしれません。
「ナラティブ絵本」は、ひとりひとりの「想い」を「絵本」にします。
その絵本を読んで、ちょっと元気になってくれる人がいたら、絵本を作った人は「嬉しく」なります。
また絵本を読んだ人が「自分も絵本を作ってみよう」と思えれば、それは自分の想いと向き合い、表現しようという「勇気」になります。
「想いのおすそ分け」の輪をひろげる
「想いのおすそ分け」があちらこちらでできると、想いを伝えやすい社会になるのではないかと考えております。
まずは、で多くの人に「ナラティブ絵本」を知っていただくことを目指しています。
4月~5月に、クラウドファンディングにチャレンジします。
応援、ご支援いただけたら嬉しいです!
ナラティブ絵本事業を始めた頃
はじめは、「自分用 」と「プレゼント用」の2種類でスタートしました。
①「自分用 」ナラティブ絵本は、自分史絵本 生活史絵本 何気ない日常の幸せ 望む未来等、「心の整理」を記す絵本
②「プレゼント用」ナラティブ絵本は、両親、祖父母等、大切な人に「気持ちを伝える」お手紙絵本
活動を続けているなかで、様々なご意見をいただくことができました。
例えば、
・緊張して声が出ない「場面緘黙」について知ってほしい!わざと話さないのではない!
・発達障害の子のママは、他の人にわかってもらえない孤独を感じている
・大切な人との別れがきっかけで何かが動き出すこともある
など、自分の経験を通して、他の人に知ってほしい、伝えたい想いをお持ちの方が多いということを知りました。
そこで、「ナラティブ絵本」の種類を一つ増やしました。
③「ケア用・啓蒙活動用」ナラティブ絵本として、グリーフケア、成長発達をサポートする内容のカテゴリーを追加しました。
ナラティブ絵本を制作された方の感想をご紹介します!
Aさんの感想(自分用)
嫌なことにフタをして、毎日モヤモヤした気持ちで過ごしていました。
カウンセリングでは、複雑な問題だと思っていたことが、整理して考えると簡単明瞭になりました。
未解決のこともありますが、今は前向きな気持ちで自分の役目を果たしながら、自分の時間を楽しめるようになりました。
Bさんの感想(自分用)
絵本づくりを通して、当時の自分を見つめ直し、なぜ乗り越えることができたのか、自分の心の変化を言語化することができました。
曖昧だった悩みと、その悩みが解決したきっかけがはっきりすると、自分にとって必要な体験だったと納得できました。
Cさんの感想(プレゼント用)
ナラティブ絵本は、絵本の中で表現するストーリーだけで人生を振り返るのではなく、絵本をきっ かけに家族が話し合ったり、普段改めて言いにくい想いを伝え合うことで、気付きが得られるんだなと実感しました。
家族の思い出は動画に残していましたが、動画より、いつでも見返すことのできる絵本は、家族との幸せな日常をより身近に感じることのできるいいツールになると感じました。
