私は7年にわたり、トランスジェンダーの方々の悩みに寄り添い、自立に向けた支援をしています。 私自身も心と体の性に悩み、手探りで適合手術を受けたのは10年前。 その経験をもとにレッスンや交流会を立ち上げ、これまで1000人以上の当事者を受け入れてきました。
近年、性的マイノリティのひとつとして 「トランスジェンダー」 が認知されつつあります。 しかし依然として、当事者の生活は非常に不安定です。 2020年の統計では、トランスジェンダーの実に3割以上が 「残り1万円以下の貧困生活を経験した」 との結果も。 その一因に、トランスジェンダーの抱える事情が十分に認知されず、サポートが追いついていないことも挙げられます。
マイノリティかどうかを問わず、どんな人でも居場所や身分の保障は欠かせません。 どんな人であっても、それぞれ弱みや悩みを持っています。 つまずいてしまった時もお互いの強みで補い合い、お互いを少しずつ支え合って取り組むことで、社会が生まれ育っていきます。
しかしトランスジェンダーとして生まれたばかりに、そのような社会的なサポートからこぼれ落ちてしまっています。 スタートラインに立つことも困難になるばかりか、存在そのものが否定されることもありました。
この厳しい現状を、私はどうにか変えていきたい。
私たちは現在、クリエイター志望の当事者を積極的にスカウトし、ともに作品を作っています。 トランスジェンダーの経済的な自立を目指すだけでなく、どこにも頼れる場がなかった方の活動の場や、社会の一員として加わる場を作り出したい。 ゆくゆくはビジネススキルなどのキャリア支援に加え、国境を超えた活動により選択肢の幅をもっともっと広げていきたいのです。
ふとしたきっかけで、誰もが弱者に陥る可能性のある時代。 弱みや悩みを背負っていたとしても、お互いを認めあい柔軟に受け入れていける社会。 そんな希望が持てる社会を共に作り出せるよう、これからもお手伝いしていきます。
もしあなたがつまずいた時、手を差し伸べられるように。
西原さつき
スタジオさつきぽん☆ https://satsukipon.com/
