April Dream No.055

鰻の魅力を世界の人々に届けたい。

鰻屋を営む家庭に生まれ、父の跡を継ぐべく修業している身の私は今、鰻料理の美味しさ、奥深さ、学ぶことの楽しさをこれでもかというくらい感じています。食べた瞬間、顔の筋肉が一気に緩み自然と笑顔になる。こんな口福感を味わえる料理はなかなかないと思います。しかし、その年により鰻の収穫量は変動し、原価の高騰もあり、鰻=高級というイメージが強すぎて、特に若者の鰻離れは顕著に見て取れると思います。私はそんなイメージを変えたい。もっと鰻を身近なものに感じ、より多くの人に感動を味わって欲しいのです。鰻はうな重だけでなく、捨てる部分がないくらい様々な料理が存在します。作り手の工夫次第で手軽に鰻の美味しさを味わうことができるのです。私は特別な日でなくても、老若男女、世界中の色々な人が気軽に鰻を食べられるようなお店を作りたい。世界に鰻料理はあれど、日本の鰻を割く技術は他になく、日本の鰻料理は日本の誇れる文化の一つでもあります。今、職人の担い手も少なくなってきていることもあるのでこういった文化も継承し、より多くの人に鰻の魅力を伝えていけるような人間になりたくて、必死に修行を積んでいます。