April Dream No.098

私らしく、ものづくりを支える

生まれ育った家の周りには小さな工場がたくさんあって、そこはいつだって私の遊び場。あたりまえに機械に憧れ、ものづくり系のドキュメンタリーや学生のロボットコンテストをみて、"将来はエンジニアになるんだ!"と卒業文集に書くような女の子。14歳で脳の病気が発覚し、日常生活が送れなくなり、夢も失いました。世界を恨みました。絶望しました。でも、カラダが動かなくても自分が好きなことは消えないし、考えることが得意だと気がついて、ものづくりのビジネスを勉強しようと思い立ちました。技術屋さんは"つくること"は得意でも、それ以外のことは苦手なように感じていたから。時代変化が激しい現代では、下請け会社になればなるほど売上をあげるために必要なつくる量を決めることは難しい。それなら予測できる方法や管理できる方法を生み出そうとして、私は在庫管理を研究し、国際学会でBest Paper Awardを受賞。ただ研究だけしていても現場に届かないと感じ、外資系コンサルティング会社で実践に活かしてみたり、さらに現場に近づけたらと現場の課題である人手不足を補うAIロボットを開発しようと、AIスタートアップで事業開発を進めています。AIという言葉だけが先走っているように感じて、休日は現場の技術力を世の中へ発信する体験型イベントを開催するようになりました。その活動を通して、国連開発連合主催のSDGsビジネスアイディア・コンテスト「ソーシャル・イノベーション・チャレンジ日本大会2020」のファイナリスト、経済産業省主催の「始動Next Innovator 2021」に選出されました。趣味からはじまった活動ですが、社会に貢献できるものにしようと足掻いています。「在庫の研究」・「AIロボットの開発」・「体験型イベントの開催」、カタチは違えど、私なりの方法でものづくりを支えようと日々を生きています。14歳で感じた絶望は、前を向くことで、知らないうちに消えていました。一生懸命生きていたら、病気も治っていました。今の私は元気だけど、あのとき前を向くことに気が付かせてくれた世界に私は少しでも恩返しがしたい。私の得意なことはちょっと変わっているから、だからこそ、私らしく動き続ける。それが私の夢です。