April Dream No.141

【甲府のジュエリー】を日本へ、日本から世界へ広めたい

ジュエリーの製造卸会社を経営しています。会社を設立して11年目となり、職人21名、デザイナーを含め総勢31名で会社を運営しています。山梨県甲府市は、地場産業として日本の宝飾市場の約30%のシェアがあります。日本一の生産量を誇り宝石の街甲府と呼ばれています。現在甲府市内には、約1,000社のジュエリーの会社が存在しています。しかし日本の多くが甲府のジュエリーを知らない状況です。ジュエリー業界はバブル期に3兆円産業でしたが、2019年に9千5百億まで減少し、さらにこのコロナ禍で約3千億円減少すると言われ、現在6~7千億円台とされています。その煽りから、価格競争が始まり職人の工賃は40年以上前の、2分の一、若しくは3分の一まで落ちています。現在工賃仕事だけでは、とても経営が成り立ちません。ジュエリーの世界は華やかに見えますが、宝飾品の製作や石の研磨はとても地味です。コツコツと同じことを繰り返し、とても根気のいる仕事です。研磨剤が跳ねることで顔や手は真っ青、作業は1/100ミリの世界、目を酷使し、年齢を重ねることで目が効かなくなります。そのため職人として長く続けることは大変です。いま宝飾の世界では、本当に技術のある職人さんが激減しています。バブルが弾け、景気の影響で辞めざるを得なかった多くの職人やデザイナーまた価格競争により、生活していくために、職人の道を諦めざるを得ないことも多大に影響していると思われます。残念なことに受け継がれることなく、無くなりつつある技術もあります。何としても今の状況を改善していかなければなりません。私は若い世代に技術を継承させ、絶やさないこと出来る限り多くの職人やデザイナーを育てること。その職人、デザイナーがジャパンプライドを持って、世の中に素晴らしい作品を贈り続けること。そして夢を持って生活していけるような環境を造ることが、私の役割であり、使命であると思っています。私は2011年8月に新たな使命を元に、株式会社B.L.S.を設立しました。会社名のB.L.S. はBonds Linking for Success成功へ向けて絆を結ぶという意味です。会社名を考えて考え抜いた時、ある夜ウトウトしていたら天から声が聞こえてきたのです。成功へ向けて絆を結べ!と。山梨のジュエリーを世界に広めなさいという神からの使命だと思っています。使命は、3つあります。1-世の中の人々が宝石や宝飾品に興味を持っていただけるように、世代を超えて語り継がれるような自社ブランドを立ち上げ世界に向けて発信すること。2-宝飾に関わっている職人やデザイナーがより良い環境と精神状態で、より良い物を製作し、プライドを持って生活していけるようにする。そしてその技術を次世代に継承し、残していくこと。3-山梨県甲府市の甲府のジュエリーを甲府から日本へ、日本から世界へ発信し認知度を上げる活動となります。この3つを目標として甲府宝飾プロジェクトをスタートしました。甲府宝飾プロジェクトを成功させるには、先ずは甲府のジュエリーを鯖江のメガネ、今治のタオル、岡山のデニムのように認知度を上げること、それにより流通が増えていくと考えています。そしてこの3月には、一般社団法人甲府宝飾協会を設立します。現在このプロジェクトに賛同していただける職人、デザイナー、メーカー、その他宝飾に関わる企業様にお声掛けしています。技術を持っている40代から70代までの職人やデザイナー、メーカーが直接発信し、販売していけるようなプラットフォームを造るようにします。そこで利益を上げていただき、ドイツのマイスター制度のような、職人やデザイナーを育てる環境を整えていきたいと考えています。このことがジュエリー業界の底上げにもない、この先多くの若い世代がジュエリーに興味を持ち、甲府のジュエリーが街中に当たり前のようにブランドとして、販売している景色が見れたら良いなと思っています。先日ある方が、これからはファッション、ミッション、パッションであると仰っていました。ファッション、時代の流れに常に敏感になり、ミッション、使命を持って、パッション、情熱を傾けていくことが重要だと。この言葉を胸に、この先30年、進化と変化を繰り返しながら、仕事に臨み、何を残していくかを良く考え、甲府宝飾プロジェクトを成功させていくことをここに誓います。