
- 公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
- April Dream
- WWFが、ついに絶滅危惧種ゼロを発表 人と自然が調和した「Nature Positive」な社会を実現
夢を発信するに至ったきっかけ
WWFジャパンは2021年9月に50周年を迎えました。その半年前のエイプリルフールの時期は、周年に向けた準備をせっせと行なっている最中で、WWFのこれまでの活動の意義を整理していました。April Dreamの夢である「絶滅危惧種ゼロ」が達成できたということは、WWFが設立された目的「野生生物を守る」が達成されたということを意味します。過去50年間で生物多様性が68%も減少したという科学的な事実を知って聞くと、これは本当に実現できない夢のようです。しかしWWFはこれまで、この夢に向かって、科学的根拠を元に様々なステークホルダーと対話し、協力することで実現に必要なステップを着実に進んできました。この夢を発信するに至ったのは、不可能な夢のように思える目標であっても、そのシナリオをみんなで選択することできる、WWFはその道筋を提示できる、ということを示すためでした。
夢を発信して変化があったこと
SNS等では、「この夢に向かって頑張って欲しい」「これが嘘ではなかったら良いのに」というったお声がありました。
発信をきっかけに生まれた、夢の実現に向かう行動
方針という観点では、目標の刷新があります。WWFジャパンの2021年7月からの目標は、下記の2つです。 ①世界の生物多様性の劣化を「反転」させる 2030年 生物多様性回復目標 ②気候変動の脅威をくいとめる 2050年 脱炭素社会実現目標①は野生動物の生息地という観点、②は野生生物の生息環境を維持するという観点で、夢の「絶滅危惧種ゼロ」寄与できる活動を行なっています。また、2021年7月の新たな期に入ったタイミングでは、生物多様性グループ、金融グループ、フードグループ、マーケットグループと言った、これまでの地球温暖化・森・海・野生動物の違法取引といった軸では展開できなかったアクティビティを新設。より多様な面から夢に向かってアプローチしています。国内の「絶滅危惧種ゼロ」という観点では、日本の消費に大きな責任があるコツメカワウソをはじめエキゾチックペットの取引や、南西諸島固有の生きものを保全する活動を展開。アジア太平洋の国の責任という面では、WWFジャパンはアジア太平洋地域のWWFの中心となり、アジア太平洋地域でさまざまなセクターの関係者と協力する拠点となるハブ(WWF AP - IWT Hub)を設置しました。(アジアは象牙やセンザンコウのうろこ、トラの骨や毛皮、木材などをはじめ、違法に売買された野生生物やその製品が、数多く取引されている世界最大の市場。中でも東南アジアは、人間活動の影響により絶滅の危機に瀕している、哺乳類や鳥類、爬虫類などの陸上脊椎動物が、多く存在するホットスポットとなっている)