Dream Database
出産で止まらない社会へ
ふたりごとMapでつくる
ふたりの未来設計
井原ゆき
夢の理由
私は16歳のときに助産師を志し、その夢を叶えました。命の誕生に立ち会う仕事に誇りを持ち、多くの妊娠や出産に関わってきました。
しかし、自身の出産では産後うつを経験し、夫婦関係の変化や心身の不調、そしてキャリアの中断という現実に直面しました。
妊娠や出産は「おめでたいこと」とされる一方で、その裏側には言葉にできない孤独や、母親になる過程での葛藤があります。準備不足のままその時を迎え、「こんなはずじゃなかった」と感じる人が多くいる現実を、当事者として痛感しました。
一人目の出産後、私たちはすれ違い、苦しさを誰にも言えず、自分たちだけで抱え込んで過ごしていました。
しかし二人目のときは、妊娠前から働き方や育休、家事・育児の分担について対話を重ね、夫は単独で1年間の男性育休を取得。私は心身ともに回復した状態で、生後3ヶ月で仕事に復帰することができました。
日本では第一子出産後に約46%の女性が離職し、子どもがいる家庭では女性の家事・育児時間は男性の約4倍、1日約5時間半、年間約2,000時間の差が生まれています。さらに、産後うつは女性だけでなく男性も約10%が経験すると言われています。
本来、人生を豊かにするはずの出産が、キャリアや自己実現を止めてしまう分岐点になっている。この構造を変えたいと強く思うようになりました。
そのためには、妊娠前からパートナーと何が起こるのかを“ふたりごと”として理解し、どんな未来を描きたいかをフラットに対話していくことが、ふたりの選択につながると考えています。
そしてこれは特別な誰かの話ではありません。あなた自身や、大切に育ててきた娘、パートナーや身近な人の人生にも起こりうる現実です。
本来祝福されるはずの出産が、誰かの人生の選択肢を狭めてしまう現実を、もう「仕方ないこと」にしてはいけない。
出産を“乗り越えるもの”ではなく、ふたりで選び支え合い、人生を前に進めるきっかけに変えていきたい。
その未来を、社会のスタンダードにしていきたいと願っています。
夢を叶えるために
現在は、妊娠前から未来を対話するプログラム「ふたりごとMap」を開発し、関西を拠点に展開を開始しています。
NTT西日本のオープンイノベーション施設 QUINTBRIDGE にて実証実験を実施し、子ども家庭庁主催の「プレコンシンポジウム2026」への出展や、大学での出前講義を通じて、サービスの社会実装に向けた検証を進めています。
参加者からは「妊娠・出産を“自分ごと”として捉えられた」「パートナーと事前に話す重要性に気づいた」「もっと早く知りたかった」といった声が多数寄せられ、意識と行動の変化が生まれています。特に男性からも「女性の身体的・精神的負担の大きさを初めて理解した」といった声があり、対話の必要性を実感する機会となっています。
今後は、企業・大学・行政と連携しながら、本プログラムを標準化・再現性のある形へと磨き上げ、5年後には全国3万5千組のカップルへ届けることを目指しています。
その実現に向けて、現在は共創パートナーを募集しています。
若手社員向けのライフキャリア研修として導入いただける企業様、学生向け授業として実施いただける大学・教育機関、少子化対策やプレコンセプションケア推進として連携いただける自治体の皆さまとご一緒したいと考えています。
本取り組みはオンライン・対面の両軸で展開可能なため、地域を問わず全国どこからでもご一緒いただけます。
もし少しでも関心をお持ちいただけましたら、情報交換だけでも構いません。
「まず話を聞いてみたい」という段階でも歓迎しておりますので、掲載のURLよりお気軽にご連絡ください。
この社会課題を、自分ごととして捉えてくださる方と共に、「出産で止まらない社会」を実現していきたいと考えています。